Festival Report フェスティバル レポート 2023

烈火の申し子 / 火付盗賊

 午前11時。駿府城入口すぐ横で、音楽が流れている。

 観客は待ちきれない様子を抑えながら、ここだここだと陣取り合戦の真っ最中。そこに姿を現したのが、このパフォーマンスの主役である達人4人衆 火付盗賊。その服装は、いかにも"盗賊"という言葉が似合いそうな、民族的なもの。

 最初は穏やかなジャズ調に合わせて火が踊る。しかし見せ場が始まると、音楽が切り替わってテンポの速いEDMが鳴り響く。白かった煙は黒みを増し、柔らかい動きから、キレのある動きに変わる。その様子は、さながらバレエからブレイクダンスへ変身したようだ。



 真っ赤な炎でできた扇が、観客の目の前で美しく舞う。みんな扇にくぎ付けになり、歓声と拍手は止まることを知らない。

 そうして繰り広げられているところで、後ろから火刀を持った侍ふたりが登場。互いの腕は互角で、なかなか決着はつかない。
猛火のつばぜり合いで文字通り火花を散らす一騎打ちの結末やいかに?

 「見てくれたお客さんの心と目を"盗める"ような活動を目指している」 グループのリーダーおよび創始者のNORIはそう語る。「静岡公演を見てくれるお客さんは反応が良く、パフォーマンスのやりがいを大きく感じる」そうだ。

 昼間パフォーマンス中は太陽光が大きく影響してしまう。代わりに夜公演のSparkでは、日没が重なることも相まってかなり特別なショーが見られるとのこと。こうなったらもう目が離せないだろう。



 力強い動きと共に、常に表情を変える火柱の様子を見たら、誰もが必ず息を吞むことを確信している。

(Written by つーさん)
Photos by Shinohar(写真は夜間のパフォーマンスで撮ったものです)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/05 03:17 PM
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