Festival Report フェスティバル レポート 2023

360度カメラを体験してきました!

大道芸スタンプラリーの景品にある360度カメラ。制覇時に体験できますとなっていたので、改めて行ってきました、360度ポイント。

スタジオは東宝会館の中、向かって右奥にスタジオがありました。11月5日までの大会期間中は10時から20時まで撮影してくれます。

中に入ると16台のカメラとマイクが待ち構えていました。撮影時間は大体10秒弱。大作の方もいるかもしれませんが……。

その場で簡単に説明を受け専用アプリをダウンロードします。どんな感じで撮影したらよいか、考えます。

撮影時に使うマントやバットや風船などたくさん用意されていますが、私はバットをチョイス。自分の声も入れることができるので、スタッフの方といろいろと相談をしていきます。

なんとなく決まり、いざ中央の立ち位置へ。10秒でもドキドキしますが、お題を言って撮影開始です。

撮影終了したらWi-Fiに繋げて、アプリを起動するとスタンプラリーの景品と同じ、自分が出演している動画が見られます。



きっかけは「昔から映画館がたくさんあった七間町を盛り上げる」ため。生成AIに作る作品を映画館で上映する規格とは別に360度のカメラを使った作品を募集することとなり、今回はそれを広めるため体験して知ってもらればとのこと。これまでに1日2~30人ほどが体験しています。

大道芸ワールドカップin静岡2023の開催期間中は、10時から20時まで可能ですが12月2日~24日の金土日も体験することができます。皆さんも、この貴重な変わった体験をしてみませんか?

(さくらひめ)

2023フェスティバルレポート / その他
2023/11/04 06:37 PM

脳汁バクハツのアミューズメントパーク / シンクロニシティ

 シンクロニシティの作品をSNSなどで目にした方も少なくないのではないだろうか。

 静岡PARCOの5階に設けられた特設スペースでは、フェスティバル中にルービックキューブによって描き出された絵が日替わりで展示されている。取材した11月4日は、ワールドカップでもお馴染みのサンキュー手塚・桔梗ブラザーズ・りずむらいすなど静岡ならではの展示が行われていた。



 しかし、シンクロニシティの創造力に満ちた遊び心と驚愕のギミックの数々は実際にその場に行かなければ本当の面白さを味わうことはできない。

 直接会場を訪れると、これは受動的な展示というより、能動的な参加型のアトラクションに近いと感じさせられる。

 会場を訪れた観客自身が動き、見る角度を変える事で1000から2000個のルービックキューブは面白いほどに表情豊かで色鮮やかに作品を描き出す。

 肉眼で見た時の面白さだけではなく、逆にカメラを通して見た面白さなど、視覚的なトリックすら計算され導かれる、シンクロニシティの唯一無二の創造力を体験をしよう。



 毎日13:00/15:00/17:00にはシンクロニシティのパフォーマンスが同会場で行われる。それ以外の時間は、会場内にいるシンクロニシティの2人から解説やルービックキューブの体験を18:00までは受ける事ができる。そして彼らの作品への理解が深まれば、更なる脳汁バクハツは間違いない。



(記事/写真:つばさ)

2023フェスティバルレポート / アーティスト ウォーキングストリート
2023/11/04 05:38 PM

大道芸で満腹。副菜・デザートはいかが? / ホリノテラスホリデー

 「駿府ホリノテラス」をご存じですか?

 大道芸ワールドカップin静岡2023の会場の一つ、駿府城公園に静岡駅・新静岡駅から向かう堀にある水辺のテラス。



 大道芸ワールドカップin静岡2023開催期間の11月4日(土)と5日(日)は、この駿府ホリノテラスと「静岡市歴史博物館前で「ホリノテラスホリデー」が開催されています。



 主催のホリホリ運営事務局の小澤さんは、神奈川からの移住者。実は静岡市、移住人気上位の市なのです。

 「静岡に来て、食べ物がおいしいことを知った。地元の人は当たり前と思っていて、それが貴重と知らない。ならそれを私が発信しよう」

 そんな話を、静岡市コ・クリエーションスペースで話をしていたら次々と話が膨らんで、他の方とも繋がり8人の仲間でイベントを立ち上げようとなったそうです。

 静岡の美味しいもの、静岡にこだわった食材を使った店舗が、自慢の品を販売。農家の廃棄野菜の葉ネギと小松菜を使ったSDGsに寄り添った焼きそばをはじめ、マグロの尾の身をスパイス使って煮込んだカレー。





 抹茶あんを使用したたい焼きなどなど。







 静岡のクラフトビール4店舗が出店していて、おいしいビールも楽しめます。そして、静岡を愛するDJの演奏で皆さんをお迎えします。

 本日(11/4)、明日(11/5)の10:00~21:00まで開催中。

 大道芸を楽しんで、満腹した後は、ホリノテラスへGO!



 静岡市プラモデル化計画「どうする家康」も見つけてね。

(suzurin)

2023フェスティバルレポート / その他
2023/11/04 04:51 PM

負けられない!本気のジェンガ勝負! / ジェンガ金次郎

 ウォーキングストリートに現れたのは、二宮金次郎ならぬ『ジェンガ金次郎』。鋭い眼光でジェンガ勝負の相手を探します。



 ジェンガ金次郎も対戦相手のお客さんも、一歩も譲らぬ真剣勝負を繰り広げました。本気で負けたくないジェンガ金次郎。音楽に合わせて踊ったり、ジェスチャーをしたりして対戦相手の邪魔をしてきます。

 対戦相手のお客さんも本気で勝負。難しい箇所のジェンガを引き抜くと観客から大歓声が上がりました。

 勝負終了後はお互いをたたえ深々と礼。勝った人にも負けた人にも、手に汗握る名勝負を楽しんだ観客から拍手が送られます。



 今回はカラフルでかわいいノッポチーム「BiG Roots」とのスペシャルな対決も観戦することができました。大道芸ワールドカップのお客さんはジェンガ対決に強いと話す、ジェンガ金次郎。実は静岡にゆかりがある人物との噂も……。

 次なる対戦相手に勝つために、日々、ジェンガの修行に励んでいるようです!

report:しんしん
photo:広報スタッフA

2023フェスティバルレポート / アーティスト ウォーキングストリート
2023/11/04 04:23 PM

少し疲れた...そんな時はリフレッシュ!

 フェスティバルもますますの盛り上がりを見せ、たくさんの方にご来場いただいています。

 それと共に人混みに疲れてしまった方もいらっしゃるかもしれません。このレポートは、そんな方たちがリフレッシュして、引き続きフェスティバルを楽しんでいただけるよう冷たいお飲み物や、美味しい食べ物を扱っている地元静岡のお店を紹介させていただきたいと思います。

 まずは駿府城公園北口から徒歩1分にある"駿府城ラン・アンド・リフレッシュステーション"さん。

 一番人気は完熟バナナスムージー、350円。冷たいアイスコーヒーも200円と、とてもリーズナブルにお買い求めいただけます。テラス席もあり、秋の風を感じながら一息つくことができます。





 お次は青葉シンボルロードに佇まう、こちらのお洒落なダイニングバー"STANDOUT"さん。



 シックで落ち着きのある内装で、2階からは青葉シンボルロードを見渡す事ができます。

 クラフトビールやコーヒーを楽しむことができ、多くのメニューがテイクアウト可能です。またお昼時には多彩なランチメニューをお楽しみいただけます。

 最後にご紹介させていただくのは、七間町通りの商業施設ARTIEの1Fにある"AND CHILL"さん。



 ARTIEの屋外ステージはパフォーマンスポイントにもなっていますが、アーティストのショーをお待ちの際などにフラリと立ち寄る事ができます。

 フェスティバル中の11月4日、5日はデジタル遊園地「アソビバーン」も開催しています。こちらは入場有料ですが、お子様が楽しめるアトラクションに、冷房が効いた休憩スペースもあります。



 他にも、静岡には素敵なお店がたくさんあるのでぜひ訪れてみてください。そして適度に休憩、水分補給を!

(記事/写真:つばさ)

2023フェスティバルレポート / その他
2023/11/04 04:16 PM

サテライト会場紹介<エスパルスドリームプラザ> 

 11/2から開催中の大道芸ワールドカップin静岡2023。パフォーマンスを見る会場といえば、駿府城公園・市街地エリアを思い浮かべますよね。

 大道芸のパフォーマンスは、静岡のおまち(静岡人は、街中を「おまち」と呼んでます)以外の2つのサテライト会場でも見ることができます。

 そのひとつが、清水区にある「エスパルスドリームプラザ」会場。



 清水港をバックにパフォーマンスが見れる、贅沢な会場です。夕方には、夕陽が見えるノスタルジックな風景。

 11/2は、「Kenshiro」と「Witty Look」のパフォーマンス。



 距離が近い分、アーティストの写真撮影もサービス満点。



 平日にもかかわらず笑い声も拍手もと少数精鋭といった様子でした。

 11/5までパフォーマンス観られますのでぜひ足をお運びください。

(suzurin)

2023フェスティバルレポート / 会場の様子
2023/11/04 12:51 PM

火花散る瞬間 / Spark!(インタビューレポート)

 「プロのアーティストらとともに、市民や観客らが混じり合ってこそ、大きなエネルギーの花火が打ちあがる。」そんな想いで企画された、大道芸ワールドカップ30周年の夜空を彩る打ち上げ花火「Spark!」。

 ショウ全体の魅力は他の記事(その1その2)で紹介されているため、今宵は花火を彩る炎の一つ、市民に焦点を当てたい。

 「Spark!」には、プロのアーティストとともに市民も舞台にあがっている。市民ゴスペルチーム「Joy Choir」と静岡大学ダンス部だ。

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(市民の代表として舞台に上がるJoy Choirと静岡大学ダンス部)

 舞台はJoy Choirのコーラスからはじまる。彼らはボランティアスタッフのチョッキを着て会場にまぎれ、フラッシュモブとして会場で歌声を響かせる中で「Spark!」の幕が上がる。

 うまく会場にまぎれすぎて観客からスタッフだと勘違いされ、お客様のへ対応をしていたためになかなか舞台に上がれない人もいたようだ。

 上演後、彼らに取材を申し込むと「プロのアーティストと仕事をすることで、プロの仕事の仕方がわかり経験値がぐっと上がった。ひとりひとりの舞台に上がるうえでの意識改革につながった」と満面の笑みで答えてくれた。

 一方、天平とのコラボもあった静大のダンスサークルのメンバーに話を聞くと、

 「大きな舞台で上演ができて光栄で嬉しい。」

 「お客さんの顔が見えるステージで経験を積めたことは大きな財産です!」

 「今後のダンスの創作に活かしていきたい。」

 とこちらも充実感あふれる笑顔で取材に答えてくれた。

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(天平と静岡大学ダンス部のコラボ)

 「Spark!」からは様々な意味が読み取れる。

 スターバックスでCEOをしていた岩田松雄は車体溶接工場を見学している時に、上司から「火花散っている瞬間だけが本質的に付加価値を生み出している」ということを学んだと話している。付加価値、創造性とはまさに火花散る瞬間に生み出せることだろう。

 火花は2つの別々の物を融合させる。

 アーティストと観客双方の火花が「Spark!」の舞台では舞っていた。アーティストを中心に、観客の拍手が広がり、その様はあたかも打ち上げ花火のよう。俯瞰して見ると、アーティストという打ち上げ花火から広がった火花が、しだれ柳のように夜空に広がっていくようだった。

 そして、人体の中にも「Spark!」はある。脳の中、シナプスだ。

 ニューロン同士が結びつく時、シナプスに火花が散る。このニューロン間の火花は、市民として参加したJoy Choirと静岡大学ダンス部をプロのアーティストと結びつけた。

 より高みにいるプロと同じステージに立つことで、今後の彼らの活動の刺激としてつながった。新しいネットワークが築き上げられたのだ。そして、このネットワークは、大道芸の街、静岡の次の文化の萌芽となり、市民活動として結実し、次の30年の静岡の文化を創っていくはずだ。

 1992年の火花は小さかったかもしれない。しかし、その火花がいまの静岡の文化を創った。30年の節目に瞬いた新たな火花が、アーティスト、市民へと今宵もつながった。この火花が30年後はどのような炎となるだろうか。次の30年が楽しみになるそんな素敵な宵だった。

 最後に「Spark!」を受け継いだ、市民ゴスペルチーム「Joy Choir」と静岡大学ダンス部の今後の活動を紹介したい。彼らの活動もまた市民の間であらたな「Spark!」を生み出してくれることだろう。

【市民ゴスペルチーム Joy Choir】
12/16(土)静岡、アルティエでのイベント、12/22(金)東静岡にてクリスマスライブに出演予定。

【静岡大学ダンス部】
2024年2/11(日)しずぎんホールユーフォニアにて自主公演。

 ぜひ、こちらの「Spark!」もみてほしい。

 なお、大道芸ワールドカップ静岡で「Spark!」をみるチャンスはあと2回。当日券の販売もあるので、ぜひみなさんも一緒に「Spark!」していただきたい。

【Spark!インフォメーション】
●開演日時・チケット料金
11月4日 19:00~20:00 1,500円
11月5日 18:30~20:00 2,000円
●開演場所
アイワポイント(6番ポイント)※駿府城公園富士見広場
●当日券販売場所
富士見広場入り口ファミリーマート特設ブース

より詳しい情報はこちらから

written by Y.K.Kobayashi /photos were taken by Ume

2023フェスティバルレポート / その他
2023/11/04 12:57 AM

高度なテクニックで観客を魅了するフープの妖精 / HOOPER MAEP

 大道芸ワールドカップ2日目のエスパルスドリームプラザ会場は、清水港の青い風景がとても美しかった。

 そんな風景の中に突然鮮やかな黄色の衣装に身を包んだ「妖精」が現れた。本大会初出場の「HOOPER MAEP(フーパーマエピー)」氏だ。

※演技の途中でご本人が「『まえぴ~』って呼んでくださいね☆」と言ったので、ここからは彼女のことを「まえぴ~さん」と表記します。

 冒頭で2つのフラフープ(以下、大小ともに「フープ」で統一)を使った演技を開始した、と思ったらそれをひとつにつなげて巨大なフープに。それを腰で回した後両手であごに乗せ、最後はあごだけで巨大フープを支え始めたではないか!

 そこで観客席から大きな歓声が上がったのは言うまでもない。その華奢な体とあごで巨大フープを支えちゃいますか!なんというバランス感覚。お見事!と感嘆のため息が出た。



 続いて、4つのフープを手や足でひとつずつ回し始め、最後は両手両足で一度に回す凄技を披露。観客席からひときわ大きい歓声が上がった。

 その後、大小のフープを使った観客参加型の楽しいパフォーマンスが続き、みんなが「まえぴ~ワールド」に引き込まれていった。それだけでも十分楽しめる内容ではあった。

 しかし真の本番はそこからだった。

 まず、ご自身が「今の限界」と考える8本同時のフープ回しが成功。続いて黄色いドレス姿のまえぴ~さんが、黄色の布つきフープを回して青空に映える美しい景色を見せてくれた。

 そして、最後は大量の虹色フープをじゃばらのように広げる華やかな演技で締めくくり、しばらく観客席から拍手と歓声が鳴りやまなかった。



 まえぴ~さんのフープパフォーマンスは、素人から見ても非常に高いテクニックを要するものばかりだ。だから広報スタッフA(以下、「A」)は彼女を「プロとしての芸歴が長い方」だと思っていた。

 しかし、ご本人によれば、「脱サラしてプロパフォーマー一本になったのは去年の春」とのこと。にもかかわらず、すでに2つの国内大会(関西パフォーマンス大会・高槻大道芸グランプリ)で優勝している。

 それらのタイトルにふさわしい実力を大道芸ワールドカップでもいかんなく披露した大型新人の登場に、思わず「来年もぜひ大道芸ワールドカップに来てくださいっ!期待しています!」とお願い。

 まえぴ~さんはそれに応えるような力強い声で「もちろん来ます。来年も応募しますっ!」と言ってくれた。

 ちなみに、今年まえぴ~さんはソロで出場しているが、実は彼女には長年ユニットで活動している2人の仲間がいる。できれば来年はユニットの演技も静岡で観たい。そんな思いを胸にエスパルスドリーム会場を後にしたAだった。

 黄色が似合うフープの妖精(まえぴ~)さん、来年もお待ちしています♪

(広報スタッフA)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/03 11:05 PM

フェスティバルを煌々と照らすヨーヨー魂 / SPIN stAr

 彼らがヨーヨーへ注ぐ情熱は狂気とまで思えるほどに凄まじい。

 SPIN stArの3人全員がヨーヨーの世界チャンピオンに輝いているが、彼らの演技にこれほどまでに惹きつけられるのは、SPIN stArのヨーヨーに熱い想いを感じるからだろう。

 気が遠くなるほど技の試行錯誤を繰り返し、精度を高める為にひたすらに練習し、彼らが真剣にヨーヨーと向き合ってきた時間と熱量が、ヨーヨーの描く技の一つ一つに魂を宿らせる。



 自分たちを見に来たお客さん達に楽しんでもらう為に、自分たちが全力で楽しくやる事を意識しているという3人。音楽と共にポップにリズムを刻みつつ繰り出される技の数々に会場のボルテージが上がっていくのは、一切妥協しない彼らがショーに向ける気持ちが、ヨーヨーにかけてきた強い想いと同じ輝きを放っているからに他ならない。



(記事/つばさ&写真/あとべ)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/03 09:00 PM

身近な道具を自在に操る「赤い凄腕マジシャン」は健在だった / 紙磨呂

 全身赤の装束に包まれた紙磨呂氏の演技は準備中から始まっていた。明らかに準備中だと思われる動きすら洗練されたパフォーマンスに見える。

 その様子に感心しながら「準備のパフォーマンス」に見入っていたら、彼はおもむろに英語でスタートと書かれたプレートを観客に見せながら演技本番に入った。

 準備中の作業すらパフォーマンスにしてしまう手腕はさすが熟練の凄腕マジシャン。過去に何度も大道芸ワールドカップに出場している実力者は今も健在だ。いや演技のレベルは過去の大会で観た時よりもより一層洗練されているように見える。



 一言も言葉を発しない静かな演技なのに、観客席は大いに盛り上がっていた。紙磨呂氏が観客と絡みながら魔訶不思議なマジックを次々と成功させていくからだ。

 そのたびに観客が「え?今の何?」「すごい!」といった表情をしながら大きな歓声を上げる。広報スタッフAもこれが取材であることを忘れてパフォーマンスに見入ってしまった。

 紙磨呂氏が使うマジック道具は、バケツ、紐、トランプ、缶飲料、紙など誰でも使うごくごく身近な道具が多い。しかしその道具が紙磨呂氏の手にかかると、急に命が吹き込まれたように見え隠れしたり、変幻自在に形を変えたりして観客を驚かせるのだ。



 中でも圧巻だったのが、くしゃくしゃにした紙を燃やしたら桜吹雪になって宙を舞った最後のマジック。また、マジック道具と思われる「継ぎ目のないフープ」を自在につなげたり離したりするマジックも圧巻で、観客席からひときわ大きな歓声が上がっていた。

 紙磨呂氏の過去の演技は何度か見ていたが、一言も話さない静かな演技でこれだけ観客を惹きつける。「赤いマジシャン・紙磨呂」はやっぱりすごい、と改めて思った。



 そんな彼の温かい人柄がにじみ出たのが、演技終了後の短いトークタイムの時だった。何年かぶりに大道芸ワールドカップに戻ってきた紙磨呂氏は、観客に向けて大変心のこもった声でこう言ったのだ。

 「大道芸ワールドカップは(自分にとって)とても大事な大会です……ただいま!」

 その温かい言葉で紙磨呂氏がこの大会を本当に大事に思ってくれていることが感じられ、こちらまで温かい気持ちになった。その言葉を聞いた観客から「おかえりぃ!」という声が聞こえてきてさらに温かい気持ちになった。

 大道芸ワールドカップはまだ2日間残っているので、どこかの会場でまた紙磨呂氏に会える人もいるかもしれない。その時はぜひ彼に「おかえりなさい!」と声を掛けてほしい。きっと「ただいま!」と返してくれるに違いない。

(広報スタッフA)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/03 08:41 PM
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