Festival Report フェスティバル レポート 2017

加納ワールドにようこそ!


始まる前から会場は観客で一杯。そんな中で登場したのは、青いジャージが鮮やかな、明らかに異様な空気を身にまとった女性、加納真実である。

曲に合わせて、ミステリアスな顔で観客を凝視しながらステージを歩き回ったり、独特で繊細な演技をしたりと、今までに見たこともないような個性的な芸が連続で繰り広げられていく。観客は目の前で何が起こっているのかよく理解もできないまま、「加納ワールド」の中にすっかり引きずり込まれてしまう。

加納さんのパントマイム歴は30年で、始めたきっかけは大学時代の偶然の出会いだったそうだ。大道芸を始めたのは15年前で、この大道芸ワールドカップin静岡には10回ほど出場しており、長年にわたって静岡の人々に愛されてきた。

加納真実の魅力は、なんといってもその豊かな表情にあるだろう。表情を作る時に心がけていることを聞くと、「何も隠さないこと、何も考えないことを意識している。」と答えた。ありのままの人間の姿が垣間見えるような生々しい演技だからこそ、これほど多くの観客の心を掴んで、決して離さないのだろうか。

加納真実の独特な世界観は、言葉では到底語り尽くせない。とにかく一度、この感覚を生で味わってほしい!

(まおまお)

2017フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2017/11/03 06:00 PM
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