Festival Report フェスティバル レポート 2017

ジャグリングとマジック、奇跡の化学反応/まわりみち

ジャグラーぱわぁとマジシャンTOKYO TOMO、異色のユニット「まわりみち」。ワールドカップには今年、初めて参加してくれた。


二人のショーを見ていても、驚きが途切れることがない。ステッキがスカーフに変わったと思えば、ハンドバッグが宙を舞い幾何学軌道を描き出す。最後には、ダンボールに箱詰めしたTOKYO TOMOを、四方八方から傘でぱわぁが串刺しにしてしまう。箱の中のTOKYO TOMOは大丈夫だろうか?





大学で出会った二人は、2010年にユニットを結成したという。

一瞬一瞬で成否が決まるジャグリングに対して、小さな技術の積み重ねで最後に観客を驚かせるマジック。異なるフィールドの二人が演目を組み立てるときには、意見をぶつけ合うこともあるようだ。

マジックの常識ではタブーだったような構成を思いついたとき、なぜ今までタブーだったのか、なぜできなかったのか。そんな理由を突き詰めて、構成を練り上げていくという。そんなこだわりが、彼らの演技を見たときの斬新な驚きにつながっているのかもしれない。TOKYO TOMOは今でも大学院で奇術史を研究して、ステージでの古典マジックの実演に役立てているという。


最後に、二人からもらったメッセージ。
レトロモダンスペクタクル!二人の生の姿を、現場でぜひ!

2017フェスティバルレポート / アーティスト フリンジ部門
2017/11/03 05:58 PM

静岡随一のやんちゃ者が大暴走!? /サンキュー手塚・ダメじゃん小出

大道芸ワールドカップは駿府城公園を中心に行われていますが、市街地でも各地にスポットが用意されています。
そのひとつ、駿府城公園から最も離れているのが清水エスパルスドリームプラザです。
遠いこともあり、スタッフが少ない中で、静岡随一のやんちゃ者が大暴走!?
メインエリアから離れているにもかかわらず、非常に多くのお客さんがこの二人を待っていました。

謎のスタッフのエスコートで最初に出てきたのはサンキュー手塚さん!
「ロボットフェア」など、わかりやすい!そして、笑える!パントマイムで場を盛り上げます。
←動いてないのになんとなくロボットのパントマイムだとわかるのがすごい!


そして次の出てきたダメじゃん小出さんは軽快なパフォーマンスにちょくちょく混ざるブラックな政治ネタでお客さんを放しません。
←なかなか実際に見てもらわないとなかなか面白さが伝わらないんですが……
パフォーマンスが終わればサイン写真に長蛇の列で、両名二人と一緒に写真を撮りたいという方もたくさんいらっしゃいます。
ダメじゃん小出さん「あのお客さんは九割がた手塚のお客さんだからね!」
サンキュー手塚さん「僕はライトな芸で、小出にいさんはヘビーな芸だから……」
と、さすがのコンビネーションでお話いただけたなかで特に印象に残ったのが、
サンキュー手塚さん「静岡は本当ホーム感が強いというか、それだけ芸に対する視線の厳しさみたいなのもあるんですけど……」
ダメじゃん小出さん「二世代に渡って応援してくださるファンの方も多くて、静岡のファンの方に結婚式の司会をご依頼いただいたことも何回かあります」
25年間の大道芸ワールドカップを誰よりも長く見てきた二人は、ある意味静岡の大道芸文化を育ててきた二人なのかもしれません。
←マジでお蔵入りになるかもしれないやつらしいです。
時にはお客さんに「あの人プロなの?全然芸をしてない……」と言われてしまうけど(昨日言われてたそうです)、それだけの期間続けてきた彼らの芸がつまらないはずはありません。
二人のパフォーマンスは場所や客席によって毎回変わるそうなので、リピートもおすすめです。

ちなみにダメじゃん小出さんはライブ活動も精力的に行っています。
年明けの2月3日には葵区七間町で「葵のご紋に握りっ屁」が行われるそうです。気になった方はダメじゃん小出公式サイトをご覧ください。
http://koideiinoda.jp/

(ながぽん)

2017フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2017/11/03 05:49 PM

ワールドレコードのジャグリング王者/ドミトリー チェルノフ

 若きジャグリングの王者、ドミトリー・チェルノフは17歳で初来日し、今回が11回目の日本とのことだ。
ボールのジャグリングでは世界レコードの7個を扱うアーティストである。

 黒の衣装には背中や脛など、いたるところにジャグリングのためのボールを収納するための籠上のものが
付けられており、魔王のような雰囲気だ。イメージは忍者か、デビルマンかと質問したところ、シャーマン
とマジシャンを統合してイメージしているとのことであった。「ハロウィンじゃないよ。」と笑いながら語る、
ボールを片手に側転を決めたりする、アクロバティックでとてもフレンドリーなシャーマンだ。

 両親ともにサーカスで活躍していたため、7歳からこの世界に入り、12歳から単独で演技もするようになり、
その12歳の時のロシアでのユースカテゴリーでベストジャグラーに選ばれてもいる。その後はパリやモンテカルロ、
モスクワなど、世界中の大会で優勝している。7つのボールが宙を飛ぶ様は本当に素晴らしい。

 昨年はボリショイサーカスで来日しており、観客とのやり取りも、笑いを誘いながら楽しませてくれる。
日本は世界中色々な所へいっているが、一番素晴らしいと話し、特に静岡の皆さんはリスペクトしていますと、
笑顔で語ってくれた。日本に11回も来ている理由がわかった。
                                          フミさん

2017フェスティバルレポート / アーティスト ワールドカップ部門
2017/11/03 05:44 PM

マジカル ダンサブル 構造的パントマイム/池田洋介



 パントマイムというジャンルだが、音楽やダンス、マジックのような手法も混じりオリジナルの存在感が感じられた。
言葉を文字として使い、その意味をスタート時とパフォーマンスが終わる時には、その内容・イメージが変化させてしまう
不思議な世界観を醸し出していた。緻密な構成の中に笑いや、驚きをちりばめて、見るものを離さない確かな技術がある。
たとえば、帽子を使ったジャグリングや、ダンスなど、どれをとっても練り上げられた技を感じてしまう。
 大道芸のきっかけはマジックだったそうだ。最初はトランプやコインなどの室内型のものから、ステージへ、
そして、オープンでのジャグリング、最後はダンスやパントマイムへと移行したそうだ。現在も通常のパントマイムの枠を
超えたシンプルだが人の心に届くパフォーマンスを目指しているとのことだった。

 池田さんのパフォーマンスはとても緻密なので、何度も見て細部や構成を楽しめる精度の高いものだ。
やはり、最初から最後まで通してみることで、池田さんの思い・パフォーマンスが理解できると思う。

 池田さんは滋賀県生まれで京都に住んで20年になるそうだ。京都大学を卒業し、数学の本も出されているという俊才である。
現在は予備校の講師の傍ら、海外で活躍している。今年の大道芸WCの後も、すぐにシンガポールの劇場で1時間に渡るパフォーマンスを
行う予定だ。そんな池田さんが、静岡の皆さんは、本当にしっかりと見てくれるので、とても感謝していると言っていた。
明日も個人的に見たいと思っている。皆さんも是非、池田洋介ワールドを楽しんでいただきたい。
                                             フミさん

2017フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2017/11/03 05:36 PM

BMXの魔術師 / BMX Performer YUYA

YUYAは、去年初めて18歳でフリンジ部門に出場し、今年はオン部門でBMXを使ったアクロバティックな演技をするアーティストです。

今日は、BMXを自由自在に操り、静岡限定のものから全国優勝した時に披露した難易度の高い技まで披露し、観客を驚かせてくれました。
中でも、世界で数人しか挑戦していないBMXのハンドルの上に立つ大技が一番印象的でした。







場の空気を盛り上げることの出来るパフォーマンスと人柄を兼ね備えた彼だからこそ、よりいっそう、私たちを楽しませてくれるのだと思います。

人を飛び越える技があったのですが、「その技をするときに緊張しますか」と質問したところ、
意外にも「緊張していない。」とあっさり答えたので、さすが優勝経験が豊富なだけあると思いました。



「BMXのすばらしさをより多くの方に伝えたくて、このパフォーマンスをおこなっています。」とYUYAはおっしゃっていました。
より迫力を感じてもらうために、前方で見ることをおすすめします。
ぜひ世界の技を、この機会にご覧あれ。


(kamome/大道芸太郎/ちるちる)

2017フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2017/11/03 05:31 PM

2017年プレビューショーレポート

秋も深まる11月1日の晩、大道芸ワールドカップの前夜祭・プレビューショーが華やかに開催されました。

会場となった静岡市民文化会館では開演前から長蛇の列で、中には午後の早い時間から並んでいたファンも!今年で26回目となるこのイベントが今や国内外に広く知られていることがよくわかります。

トップバッターは前回優勝のリウェイ。そのハイレベルな演技に観客の目が釘付けになった直後、観客席に世界の国旗を手にした市民クラウン達が登場すると会場内のボルテージが一気に上がりました。

この日はフリンジを除くほぼ全てのアーティストが出場し、60~90秒の短い時間にもかかわらず見ごたえのある演技を披露。観客席は大いに沸き、2日からの本番に期待が高まるステージでした。

ショーの最後はステージに全てのアーティストが終結。恒例の「5本締め」で幕を閉じました。閉演後のロビーでは観客の皆さんが目を輝かせながらショーの余韻を楽しむ様子が見られました。



大会2日目の現在、静岡の「おまち」はまるごとステージとなり、国内外から終結した104組のアーティストたちが魅力あふれるショーを展開しています。

Writtern by 富士山なすび みゅげ

2017フェスティバルレポート / 会場の様子
2017/11/03 05:30 PM

華々しく躍動するジャグラー/桔梗ブラザーズ

青空の下、きらびやかな紫の衣装に身を包み・・・・
最高のパフォーマンスを魅せるために、秋の日の光・風・距離感を感じながら
軽快なミュージックにあわせ躍動する二人。



「技担当 弟タカシ トーク担当 兄アツシ」笑い声が上がる瞬間に
こちらもぐっと吸い込まれていくのです。

音楽に吸い寄せられるようにどんどん増え続ける観衆、
老若男女、多くの観客を魅了しているのが、手に取るように感じられます。

彼らの息の合ったパフォーマンスそして我らの息つく間もないパフォーマンス。
そんな彼らの練習時間を尋ねてみると
「2日に1回ショーがあるので練習時間は1週間に1.2回に減らしているのです。
体の負担を軽くするために・・・」とのこと。
ツイッターで言っていたお兄さんの腰痛も心配ないそうですよ。

本名を「桔梗」とおっしゃるのだそうですが
その桔梗の花にちなみ「紫」を身にまとわれていたのだそうです。
華々しい色を添えたいということで、今年は「華」をテーマにショーを組んでいらっしゃいます。



そんなお二人の大道芸の世界へ入るきっかけをうかがいましたら
地元隣町で開かれていた大道芸のパフォーマンスを見たことだそうです。
今日の会場でも、ぐっと見入る小さな兄弟もまた、彼らの姿を夢見るのでしょうか。
息がぴったりな二人はプライベートでも一緒に出かけたりの仲良しだそうです。

ジャパンカップに向けて・・・勝負に関係なく「楽しみます」と強く語られました。

今年の静岡を伺うと・・・毎年ウエルカムな雰囲気に包まれ、待ち遠しく思っています。
自然と拍手が湧き上がり、ありがたい。といただきました。
そんな二人は終始笑顔の絶えない好青年です。



観客の拍手を、歓声を、士気に変え、さらに高みを見据える瞳。
きっとあなたも一目で彼らのファンになること、間違いないでしょう。

(keiko)

2017フェスティバルレポート
2017/11/03 04:44 PM

強靭な信頼が繋ぐ人間ブランコ/ホセフィーナ カストロ&ダニエル オルティス

 力強く、美しい人間ブランコを披露したのはホセフィーナ カストロとダニエル オルティス。2人はアルゼンチンからやって来て、日本へ来たのは初めてだそうだ。文化の違いに驚いたり日本人の親切さに感動したりと、日本を満喫しているようだった。



 2人が出会ったのは2010年。サーカス会社で出会い、共に練習するようになったそう。今までにヨーロッパや南アフリカなど様々な場所でパフォーマンスを繰り広げてきたそうだ。

 ステージが始まる前から、ダニエルは着替え姿を観客に披露したりTHE BOOMの島唄を突然歌い出すなど、笑いを誘い、観客を魅きつけた。しかしステージが始まると、喧騒に包まれていた観衆に緊張感が走った。愛の喪失と再生の物語を想像させる10分間のパフォーマンスが幕を開けた。

 ダニエルの腕を空中ブランコのようにして空中を舞うホセフィーナ。しなやかさや美しさをも兼ね備えた迫力のあるパフォーマンスに観客は圧倒される。二人の手がふわっと離れる瞬間には誰もが息を飲んだ。並大抵の信頼では成し遂げることの出来ない技に2人の絆を窺える。



 およそ8年もの歳月をかけて完成されるパフォーマンスの練習では怪我をしないよう肩や膝などのストレッチは怠らない。練習の中では衝突や意見の食い違いが頻繁にあるようだが、それを乗り越えた上での、人間ブランコを成功させたいという思いが素晴らしい演出を創り上げている。

 危険を孕んだ技を成功させられるのは2人の愛故他ならない。繋がる愛を感じられるそのパフォーマンスを是非、間近で感じてほしい。

(山男)

2017フェスティバルレポート / アーティスト ワールドカップ部門
2017/11/03 04:38 PM

夢の世界に包まれて/バブル オン サーカス

小さいころは誰でも遊んだシャボン玉。
昔はあんなに夢中で遊んだのに、あの素敵な世界を忘れてしまったのはいつからでしょうか。

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コメディータッチで繰り広げられるバブル オン サーカスのパフォーマンスには、きらきら輝くシャボン玉がふわふわと漂い、子どもたちが大喜びなのはもちろん、大人もシャボン玉の魔法にかかって童心に帰ります。彼らがつくる世界は、まるで夢の世界に紛れ込んだようです。たくさんのシャボン玉に囲まれるだけでも素敵なのに、彼らのパフォーマンスの中にはいままで見たこともない、白いシャボン玉が登場したり、燃えるシャボン玉も登場します。

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バブル オン サーカスは夫婦のコンビで、旦那さんのマリアーノは静岡は2回目。6年前にはコメディージャグラーとして来静し静岡の人たちを笑わせてくれました。6年前の記事はここ
そんなマリアーノが、今回はかわいい奥さんを連れ、全く別のパフォーマンスで静岡の人たちを夢の世界に誘います。人を楽しませるのが大好きだという2人。シャボン玉にたくして、夢・信じることの大切さを見る人たちに伝えます。

夢を信じてください。きっと夢がかないます。

バブル オン サーカスの夢の世界へようこそ。

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バブル オン サーカスのお二人から静岡のお客さんにメッセージをいただきました。
「私たちと一緒に夢を見てくれてありがとう。ありがとうございます」
バブル オン サーカス エド&マリアーノ

Y.K.Kobayashi

2017フェスティバルレポート / アーティスト スペシャルプログラム
2017/11/03 04:25 PM

ジャグリングで紡ぐ壮大な歴史絵巻/望月ゆうさく

今年も望月ゆうさくが帰ってきた。今回のステージでは歴史をテーマとした新作を披露する。



最初は古代日本のシャーマニズムをほうふつとさせる白い衣装で登場。軽快なタップダンスとともに繰り出される目にも留まらぬ速さのジャグリングで観客の心をつかむ。



複数回行う衣装替えで時代の変遷を表現しながら繰り広げられる超絶技巧のジャグリングは圧巻。その技術と表現力の高さはさすが世界トップレベル。期待を裏切らない。



構想3年、製作6ヶ月。原始時代から現代まで時代をさかのぼるこの作品では、日本の文化や宗教をバックとした壮大な歴史絵巻が展開される。
また時代の変化を感じさせる衣装の早着替えも見どころの一つである。

しかし彼の演技は実際に見て、聴いて、場の雰囲気を感じながら堪能しないとつまらない。これ以上の説明は蛇足になるのでここでおしまいにしよう。

静岡市が生んだ稀有なアーティスト・望月ゆうさく。大道芸ワールドカップin静岡は、ここで生まれ育った彼にとって特別なステージであるはずだ。

そんな彼の凱旋公演といえる珠玉のステージを、ぜひご自分の目でしかとごらんあれ。

Written by 富士山なすび


今後の予定

11月4日(土)

13 静岡市民文化会館 11:30 14:00 16:30

11月5日(日)

24 静岡市役所 11:00 13:00 15:00



2017フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2017/11/03 04:18 PM
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