Festival Report フェスティバル レポート 2011

笑顔から始まる日常を/スマイルキャラバン

3・11。
誰の心にも忘れることが出来ないあの日。
私たちになにが出来るのか。
誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
大道芸ワールドカップin静岡も同じでした。

20年の節目の年。
20年の活動の中で積み重ねてきたもの。
それらをもって出来ることをしよう。
「スマイルキャラバン」はそういう思いから誕生しました。

スマイルキャラバンにポイントメイクスタッフとして
参加した、まいまいさん。
震災後、自分に何が出来るかを自問自答していた日々。
何かしたい。でも現地で何が出来るのか。
とりあえず募金くらいしか今は出来ない。
そう思っていた矢先のスマイルキャラバンの話。
現地のお祭りでポイントメイクをする案が挙がり、
それならば出来るかも知れないと思い参加を希望されたそうです。

岩手県山田町。
地元の伝統的なお祭りの中でのブース。
大道芸があまり浸透していない地域だったということもあり、
最初は双方とも戸惑いが。
しかし、1人の子供がポイントメイクをすると、
友達を連れてきて、それを境に徐々に人の輪が広がり始める。

大道芸ワールドカップin静岡のメイクアップブースでは、
いつも長蛇の人だかり。
たくさんの人に描いてあげたく、黙々と作業をすることが多いのですが、
このときはまったく違う。
学校の教室で友達と会話をするように、いろんな雑談をしながら。
友達がメイクされている間、他の友達はそれを見て
「いいね、素敵だよ!」と話す光景。
まるで何事もなかったかのように、子供たちは笑顔があった。

しかし話をしていると、やはり違うな、と感じる。
子供たちの気遣い。
スマイルキャラバン以外にも、たくさんのボランティアがこの地を訪れている。
もちろん今も。
「自分たちのために、来てくれてありがとう」
そういう思いが、多くの子供たちにあるそうです。
「遠くからありがとう。疲れてない?」と子供たちが
しきりにまいまいさんのことを心配してくれる。

「人は辛い思いや、大変な出来事を経験して大きくなるんですね」と
語ってくれたまいまいさん。
誰だって多かれ少なかれ、様々な経験をする。
今回の震災は確かに多くのものを失った。
しかし、小さいながらも何かが芽吹くのかもしれない。
それが目に見えない心の優しさかもしれないけれど。

当たり前の日常。
友達と話して、遊んで時には喧嘩して。
まだまだその日常とはかけ離れている。
でも必ず来る明日。

特別なスキルがないから何も出来ない。
そんなことはない。
一緒に手を取り合って、日常を取り戻していけばいいのだ
そこには必ず笑顔が必要だから。

(ミーコ)

2011フェスティバルレポート / 20周年特別企画
2011/11/06 10:11 AM
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